2015年2月18日水曜日

春節 中国の親がLGBTの子供に贈る短編映画

中国国旗の画像
日本の盆と正月、アメリカの感謝祭、そして中国の春節。性的少数者の子たちにとって帰省シーズンは憂鬱な(場合がある)ものだというのはどの国も同じようです。中国で作られた1本のショート・ムービーを紹介します。

2月19日に春節(旧正月)を迎える中国では、帰省や旅行で28億もの人が国内外を移動する見込みだそうです。そんな春節を目前に、中国のLGBT家族会「同性恋亲友会 (PFLAG China)」が短編映画を制作し、動画サイト「腾讯视频」で公開しました。
「回家 -Coming Home-」と題されたこの作品では、ゲイ男性と両親の断絶と和解を描き、春節には実家で家族と過ごしてほしいというメッセージを送っています。
回家 |腾讯视频(現在は削除されています)

動画は2月10日に公開されたばかりですが、2月16日の時点ですでに再生回数1億以上と報じられています。
Chinese Short Film Urging Parents to Accept Gay Children Goes Viral | Hollywood Reporter

動画はYouTubeでも見られます。中国語と英語の字幕付きで、セリフ自体も少ないですし、話の内容は分かりやすいと思います。


物語(ネタばれあり)

主人公は「成績優秀な自慢の息子」として育ったゲイ男性。2009年、春節で帰省した実家で、親が楽しげに結婚や孫への期待を口にするのをやり過ごしています。
実家から逃れるように学業や仕事に打ち込む主人公でしたが、恋人との将来を考えるようになり親にカミングアウトします。
しかし両親は激怒。「手塩にかけて育てたのに、なぜこんな仕打ちをするの?」「帰ってこなくていい!息子はもう死んだも同然だ。」
その後、絶縁状態が続くなか、両親は「同性恋亲友会」で同じような親たちと出会います。
「あの子は今も、私が赤ん坊の時から育てた子に変わりない」
「望むのは彼の幸せだけ」
そして物語は、2015年の春節を前に、母親が息子に電話をかけるところで終わります。
「帰ってきて。おまえがどんな人であろうと、ずっと私たちの子どもだから」

エンドロールでは実際の母親たちが登場し、子供たち(と親)へ語りかけます。
「もうすぐ新しい年ですね。同志(LGBT)のみなさんが家で親御さんと一緒にお祝いできることを願っています」
「ご両親はあなたを待ってるよ」
「親の愛を重荷だと思わないで」
「正直に生きる勇気を持って」
「あなたの物語をご両親と分かち合ってね。ちゃんと聞いてくれるから」
「まだ話す気になれないなら、普段通りでいいの」
「子供が家に向かうその道を、社会のしきたりや伝統的な結婚観でふさがないであげてください」
「子供たち、休暇には帰ってきてください。ママがあなたを待ってますからね」

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